【Uber Eats 対応】レストランが生き残るための絶対条件を教えます!【飲食店向け】
これからの時代、あなたはUber Eats を導入しなくても飲食店が営業できると本気で思っていますか?
コロナの影響で売上が激減した飲食店が閉店するという話が多いですが、その中でも何とか頑張って売り上げを出しているお店があるのも事実。
この記事では、フードデリバリーに主眼を置いた飲食店経営について、飲食業界の経験が豊富なNoshift編集者がまとめました。
新たに飲食店の出店を検討している方や、デリバリープラットフォームの導入を検討している方は是非参考にしてくださいね。
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- 飲食店はデリバリーが必要不可欠な時代に突入している
- 出店計画はリスクヘッジを図ったプランを立てる
- デリバリーに主軸を置くなら商圏内の店舗調査は必須
- 店舗の契約タイプは間借りもアリ?!
- 出店するだけでは注文が入らない環境になってきた
- 可能な限りオリジナルのメニューで勝負したい
- オペレーションに慣れてきたら複数ブランドにチャレンジ
- 人を雇うのは経営が軌道に乗ってから
- フードデリバリー導入のまとめ
飲食店はデリバリーが必要不可欠な時代に突入している
デリバリー業界の市場規模は増え続けている
2016年9月にUber Eats が東京でサービスをスタートして以来、デリバリー市場は右肩上がりで売上が伸びてきました。
デリバリー業界の総売上が3770億円だった2016年と比べると、2020年は6271億円で166%、2021年は約8000億円と200%以上の成長を遂げています。
日本のデリバリー普及率はいまだ世界最低水準
フードデリバリー利用率を見てみると、日本は約3%と諸外国と比べまだまだ低く、これからも成長する業界と考えると、デリバリーを導入しない手はないでしょう。
ただし、フードデリバリーを導入する店舗は今後も増え続けるのは確実ですから、導入するだけでは今までの様に売り上げを作ることは難しいかもしれませんね。
出店計画はリスクヘッジを図ったプランを立てる
コロナ対策を忘れてはいけない
密集地以外ではマスク不要になるなど、コロナウイルスも徐々に収束してきてはいますが、いまだに新種のウィルス報告が出てきていますし、今後いつ短縮営業や営業自粛になるか分かりません。
もしそうなった場合、短縮営業が余儀なくされるイートインだけでは安定した売上を出すのは難しいでしょう。
その点、テイクアウトやデリバリーを行っているお店であれば、突然のコロナ措置でイートインの利用が難しくなったとしても被害を最小限に抑えられます。
販売経路は多ければ多いほど良い
フードデリバリーを導入する場合は、全国で利用可能なUber Eats だけでなく、出前館やmenu、Woltなどの複数サービスを利用検討するようにしましょう。
複数のプラットフォームを使用して販売経路を増やしておけば、安定した売上を確保しやすくなります。
フードデリバリーサービスの利用にかかる費用としては、加入手数料と配達手数料の他に、サービスによっては決済手数料が掛かる場合があります。
また、受注端末をレンタルした場合は月々のレンタル料金も掛かりますが、加入手数料はどのサービスも減額、もしくは無料になっている場合が多いので、詳しくは各プラットフォームに問い合わせてみましょう。
デリバリーに主軸を置くなら商圏内の店舗調査は必須
例えば、東京23区内にUber Eats で注文ができる、タイ料理店を出店しようと計画をするとします。
その場合、少なくともUber Eats に出店している東京23区内のタイ料理店を調査し、店舗数がが少ないエリアを探し候補地としましょう。
イートインが主体のお店であれば、商圏内に同じ業態の飲食店があったとしても、店主の人柄やお店の雰囲気で固定客を獲得することもできますが、デリバリーメインの場合はそうはいきません。
どのフードデリバリーサービスの注文プラットフォームは、基本的に全店舗フォーマットは同じなので、他店との差別化を図るのはかなり難しいです。
※プラットフォームによっても違いはありますが、別途料金を支払えばアプリ内でプロモーションを行うことはできます。
そのため、出店エリアに同じ業態のお店がすでにある場合や、アプリ内の注文履歴から注文を行う利用者には見つけてもらえない可能性があります。
※店名検索を行う人は本当にいないと考えておきましょう…。
店舗契約前に取り扱いたい商品が決まっている場合は、必ず商圏内を調査して同じ業態があるかどうかを必ず調べましょう。
契約を検討している店舗の半径3km以内に同じ業態が複数店舗ある場合は、契約店舗を再考するか、取り扱う商品を変更することも視野に入れましょう。
エリアの調査方法
デリバリーの商圏はエリアによっても若干違いがありますが、プラットフォームから注文可能な店舗から半径3kmと定義して、利用できる全てのデリバリーアプリから情報を収集しましょう。
※エリア範囲を測定するのは「はんけい」を使うのがおすすめです。
エリア内の全店舗を全て調べる必要はありません。取扱商品に関連しそうな店舗をピックアップしてGoogleマイマップにチェックしていきましょう。
例えば、軽食喫茶を提供するお店の開店を検討しているなら、ファミレスとパスタ店はもちろん、ハンバーガー屋やピザ屋だけでなく、スターバックスやタピオカドリンクのような飲み物メインの店舗も競合に入ります。
このように、自分だけのマップを作成し「どのあたりに店舗を構えたら良い」か目星をつける検討材料にしましょう。
店舗の契約タイプは間借りもアリ?!
昼または夜しか営業しないお店が閉店している時間だけ店舗を借りることを間借りといい、新たに営業許可の申請の必要がなく、店舗を自分で契約するよりは初期費用をかなり抑えることができます。
※間借り店舗はゴーストレストラン限定の話にはなりますが、30万円程度の初期費用で開業することも可能です!
しかも、水道光熱費も月額使用料に含まれることが多く、備え付けの設備も共用できる可能性も高いです。
そのため、ランニングコストが節約できるので、店舗経営初心者の方にはおすすめと言えます。
ただし、間借りはいいことばかりではなく、営業時間に制約があるため売上のアッパーが低目で売上は伸びにくいです。
また、間借り先の営業を邪魔しないように毎日の清掃や閉め作業をしっかり行わないといけないため、作業量が一般的な店舗に比べると増えることも想定できます。
しかし、固有の住所が取得不可だったり、店舗内装も基本的には変更できなかったりなど、考えられるデメリットを差し引いても、金銭的負担が軽減される間借りはメリットの方が多いと言えるでしょう。
出店するだけでは注文が入らない環境になってきた
集客方法のトレンドは店前からインターネットへ
イートインやテイクアウトを行っているお店は、タペストリーや立て看板などで周辺の顧客を集客できますが、デリバリー専門店の場合は何もしなければ注文アプリ上でしか認知されることはありません。
Uber Eats のプロモーション機能を使えば、費用は掛かりますが他店より表示順位を上げたり目立たせたりできるので検討する価値はあります。
また、新規開店や新ブランド立ち上げ時は、InstagramやTwitterは当たり前として、他にもyoutuberやTikTokerに商品レビューや告知を依頼するなど、可能な限りの広報活動を行いましょう。
必ずGoogleビジネスプロフィール(旧googleマイビジネス)には必ず登録し食べログはもちろん、費用が掛かりますが顧客単価が高いお店はホットペッパーの利用も検討しましょう。
大切なことはリピーターを増やすこと
売上が良いUber Eats 導入店舗は、既存と新規の割合が7:3~6:4で半分近くがリピーターと言われています。
ヘビーユーザーになると、毎食がデリバリーという方も珍しくないので、リピーターがどれだけ大事か分かっていただけると思います。
利用者にとっては料理が美味しいのは当たり前!他の部分でどれだけ他店と差別化を図れるかを考えてみましょう。
簡単に実施可能な物の中でも、手書きのメッセージはかなりおすすめです。
※個人の感想になりますが、例えばメッセージカードでなく箸袋やおしぼりにメッセージが書かれていても、嫌な気がしたことは一度もありません。
また、試作品やおすすめのデザートなどを商品と一緒におまけで入れておくと、リピートに繋がりやすいそうですよ!
※日本人は貰ったら返さなきゃという「返報性の原理」が強い方が多いので、試作品作戦の効果は高いと言えますね。
可能な限りオリジナルのメニューで勝負したい
フランチャイズのみで勝負するのは基本NG
ロイヤリティがないフランチャイズもあるので一概には言えませんが、提供する商品がフランチャイズのアイテムだけとなれば、通常契約金の回収と月々のロイヤルティで少なくとも数万円~10数万円が必要になり、大きなプレッシャーになります。
仮にデリバリーで10万円の粗利を出そうとした場合、原価と配達手数料の他に家賃や光熱費などの経費を差し引いた場合、イートインのあるなしや自社配送を行っているかどうかによって変わりますが、粗利率を平均の10%で計算すると100万円の売上を出さないとペイできません。
正直な話、大都市エリアならともかく、1ブランドのデリバリーだけで100万円以上の売り上げをロイヤリティに持っていかれるのはかなりきついです。
フードデリバリーサービスには手数料が必要
社名 | 手数料合計(税抜き) |
---|---|
Uber Eats (配達) | 35% (決済手数料 無し) |
Uber Eats (テイクアウト) | 12% (決済手数料 無し) |
出前館 (配達) | 35% (決済手数料+3%) |
出前館 (テイクアウト) | 10% (決済手数料+3%) |
Wolt (配達) | 30% (決済手数料 無し) |
Wolt (テイクアウト) | 20% (決済手数料 無し) |
menu (配達) | 35% (決済手数料 無し) |
menu (テイクアウト) | 13% (決済手数料 無し) |
※決済手数料とはクレジットカードやpaypayなど現金以外を利用した場合に掛かる手数料です。
Uber Eats や出前館などのフードデリバリーを利用には、当たり前ですが手数料が必要です。
例として、Uber Eats の配達パートナーに届けてもらう場合は、デリバリー商品代の35%、テイクアウト注文でも12%の手数料が掛かります。
もし、原価率を包材込みで30%に抑えたとしても、そこに35%もしくは12%の手数料が加算されるので、若干売価を高めに調整しないと商売としてはやっていけません。
例えば、1000円の商品に手数料を上乗せして販売すると、1400円前後でアプリに掲載することになりますが、割高感が否めないのでお店によっては1200円~1300円と若干安めに設定している場合も結構あります。
そうすればメイン商品は販売しやすくなりますが、全体の粗利は少なくなると言えるので、サイドメニューやドリンクなど、原価率が低い or 下げても見栄えよくお得感が出せる商品も一緒に販売できるような作戦を組むことが大切です。
※商品の単価にもよりますが、例えばメイン商品を頼んだ場合のみハーフサイズのサイドメニューが注文できるとか、1配達あたりの単価を上げる工夫をしてみましょう。
高い配達手数料を支払った上に、フランチャイズのロイヤリティを支払うのがどれだけ大変か理解いただけたでしょう。
オリジナルメニューを自分で開発できなくても大丈夫!
新しくフードデリバリーに参入しようと考えている方は、安易にフランチャイズに手を出す前に、オリジナルのメニュー提供を検討してみましょう。
飲食店経営の経験がない方にはハードルが高く感じられると思いますが、ロイヤルティの支払いがない分、利益が確保しやすく店舗運営は格段に楽になります。
飲食店経営の経験が少ない、もしくは初めてだという方はメニュー開発企業の話を聞いてみるのはどうでしょうか。
依頼費は開発企業によって様々ですが1品2万円~5万円程度、提供したいメニューのコンセプトやイメージを伝えると、レシピと原価計算表の他にメニュー写真も納品してくれます。
ここで大事なことは、調理後30分後でも美味しく食べれるメニューを依頼すること。
フードデリバリーデリバリーは出来立てを提供することは基本的には不可能です。
調理後、時間が経過しても商品劣化が少ないアイテムの開発を目指しましょう。
※少し味付けを濃い目にしたり、包材をセパレートタイプにしたりなど、細かい工夫を凝らしましょう。
オペレーションに慣れてきたら複数ブランドにチャレンジ
営業が軌道に乗ったら積極的に新ブランドの追加を!
現在のオぺレーションに慣れてきたら、デリバリーがメインのお店であれば、積極的に新ブランドの立ち上げを検討する必要があるでしょう。
デリバリー1店舗の売上アッパーラインはある程度決まってしまうので、それ以上の売り上げを出すには新ブランドの立ち上げが必要不可欠です。
自店の周辺にない or 少ないけど流行っている業態がないかアンテナを張りながら、常に新ブランドの立ち上げを考えておきましょう。
ブランド立ち上げ時の品数は控えめがおすすめ
新ブランドを立ち上げるときの理想メニュー数は、1~3品と言われています。
Uber Eats に出店する場合は、トッピングを含めて5品以上が必要になるので、メイン商品が4品以下の場合はトッピングを用意しましょう。
商品の構成がフレーバー違いや、軽食やおつまみなどの場合はそれ以上あっても構いませんが、いきなり10品以上を販売することは、オペレーションの観点からおすすめはできません。
ブランドを増やすときに気をつけたいことは、オペレーションをいきなり大きく変えないこと、食材の使いまわしができるものを選ぶことなど、現状の店舗運営にあまり負担を掛けないことが無理なく新ブランドを運営するコツです。
新ブランドの立ち上げは、住所は同じでもデリバリーアプリ上では新店を構えることになるので、ブランドを育てる気持ちで運営することを忘れないようにしましょう。
人を雇うのは経営が軌道に乗ってから
店舗運営経費で大きなウェイトを占める人件費
飲食店経営で一番気をつけならなければならないのが人件費、サービス業の人件費率は30~50%になると言われており、かなり高額です。
※人件費率(%) は 人件費 ÷ 売上 × 100 です。
売り上げや仕入れ金に関わらず、雇用しているアルバイトの労働時間分の人件費が必ず発生します。
100万円売り上げても、20万円しか売れなかったとしても、労働時間が同じであれば支払う人件費の金額は同じです。
そのため、売上計算が立たないうちにアルバイトを大量に雇用すると、大赤字になる可能性も大いにあります。
店内飲食が可能な店舗の場合はともかく、デリバリーやテイクアウトがメインの店舗であれば、開店時にはオーナー自分一人で営業する気持ちが必要です。
どうしても開店時にスタッフを揃えたい場合は、同時に調理オペレーションを行うアルバイトは多くても二人までにして、必要性を感じたらその都度求人を出すようにしましょう。
※デリバリーメインの飲食店求人は、接客が必要なイートイン店と比べると人が集まりやすいと言われています。
自分一人でお店を回す想定のオペレーションを組もう
お店の規模にもよりますが、店舗オペレーションは基本的に一人で回せる様にしないと、いざアルバイトを雇用したとしても上手く教育を行うことは難しいです。
そのためには、前もって作業台の配置や素材の保管場所など、オペレーションの導線をしっかりと設計する必要があります。
アルバイトは教育者のオペレーションを手本として仕事に慣れていくため、教育者以上のスタッフになることは無理だとは言いませんが、飲食店経験者でなければ多くの時間が必要になるか極まれなことです。
アルバイトは自分のオペレーションを楽にするためではなく、売上を伸ばすために雇用するということを忘れないようにしましょう。
フードデリバリー導入のまとめ
閉店リスクを極力抑えつつ積極的な経営を目指す
飲食店は、1年で30~40%、2年で50%、3年で70%が閉店すると言われているほどリスクが高い業種で、何も考えないで運営するのは本当にギャンブルです。
逆に、売れているお店の運営方法を手本に勉強したり、人気のある食べ物をリサーチしてメニューに活かしたりすれば、安定した経営ができる可能性も高くなります。
※期間限定メニューや季節メニューなど、トレンドを取り入れた販売アイテム構成を考えることが売り上げを上げることに繋がります。
フランス料理や日本料理のような高級な業態以外お店は、フードデリバリーとどのように付き合っていくかが商売の肝になるでしょう。
これからの時代は、イートインやテイクアウトとデリバリーを上手く掛け合わせて、毎日安定した売り上げを確保することが、飲食店を長く経営するコツと言えます。
現在飲食店を経営している方はもちろん、これから新店をオープンを検討している方は、この記事を参考にして、「あれをしておけばよかった…」と、後悔しない飲食店経営を目指してくださいね!