【飲食店向け】経費削減・売上を上げるおすすめの対策はコレだ!
飲食店経営で最も大切で重要なことは、美味しい料理をお客様に提供し、売上を出し、スタッフに給料を払い、お店にお金を残すこと。
しかし、開店3年後閉店率が70%を超える飲食業界で、安定した営業を続けるのは思ったより難しいものです。
売上が少なければ増やさなければならないし、無駄な経費や人件費を使っているなら見直す必要があります。
この記事では、お店で状況改善に使えるおすすめの対策をご紹介していますので、是非参考にしてみてください!
- 店舗運営はPDCAの繰り返し
- 売上を増加させる
- 経費削減について
- 裏ワザテクニック
- まとめ
店舗運営はPDCAの繰り返し
PDCAとは
PDCAはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の略で、常に業務改善をおこない、現状から少しでも状況を良くするために使われているもので、今から70年くらい前に作られました。
現在でも、製品工場や食品加工場などだけでなく、一般的な企業でも当たり前のように使われています。
そんなPDCAを、飲食店でどうすればいいの?と思われるかもしれませんが、繁盛店では当たり前のように使用されています。
この記事では、PDCAのPlan(計画)について話していきます。
変化のないお店は売上が増えない
飲食店の味や雰囲気を変えずにずっと営業していくことは、簡単なようで難しいものです。
しかも、現状を変えないということは状況は安定しますが、お店の中以外の要因でしか売り上げを伸ばすことはできません。
※当たり前ですが、逆に下がる可能もあります。
短期的なお店であれば、現状を維持することを最優先にすればいいですが、これからずっと営業をするのであれば、少なくとも売り上げを伸ばすためにお店を変化させる必要があります。
具体的にどうすればいい?
日々の営業で「ココはこうしたらどうだろう」とか、「アレをやってみたらいいんじゃないか?」など、常に何か新しいことや現状の改善案を考え、出し合うことで少しずつお店が良くなったり変化していきます。
このときに一番やってはいけないことは、今までとはいきなり180度違うことをやること。
もし、取り返しのつかない失敗をしてしまったら、お店の立て直しはとても難しいでしょう。
初めは、ちょっとした計画を何度も繰り返しながら、お店の改善や転換を少しずつ図るようにしましょう。
売上を増加させる
ここでは、店舗運営で一番大切で基本的な「売り上げを増やす」ことを目的とした計画の一部を紹介します。
一口に売り上げを増やすと言っても、様々な方法が考えられます。
簡単に試せるものから、時間や経費が掛かるものまでたくさんあります。
複数の案をあげてみますので、試せそうなものがあれば参考にしてください!
期間限定・新メニュー
売り上げに一番直結するのは、メニュー(商品)に関することでしょう。
例えば、マクドナルドは頻繁に期間限定メニューを出しますが、よく見ると毎年同じ時期に販売されているメニューや、期間限定メニューのマイナーチェンジが多いことに気づくでしょう。代表的な商品名を例に挙げるとするなら、グラコロバーガーや月見バーガーがそれにあたります。
毎年同じメニューでも、「この時期しか食べられない」というイメージ付けができているので、売り上げ増加に大きく貢献できます。
利用者は、安定の美味しさの商品を食べたいと思う反面、この時期しか食べられない商品や新しい味があれば試してみたいと思うものです。
もし利用者が、今日は違うものが食べたいと思っても、アナタのお店がずっと同じ味だけを提供していた場合、その利用者は違うお店に行くしかありません。
でも、定期的に新しいメニューや期間限定メニューをリリースしていれば、利用者に「今日はこれを食べてみよう」という選択肢を提供できます。
しかも、利用者と関係性が作れていれば、新メニューの感想や評価も聞けるはず。
まずは、季節の食材や、流行りの味付けなどを取り入れた、期間限定メニューを考えてみる。その中で、特に評判が良かったものがあれば、定番メニューとしても検討してみましょう。
単品商品勝負の店は気をつける
一つのメニューが売り上げの大半を占めているようなお店が、前触れもなく新メニューをリリースしても、お客様に受け入れられず、廃棄が多くなったり売り上げを落してしまったりする可能性があります。
そのようなお店は、新メニューではなく期間限定の商品として提供することを前提に、スタッフや常連客に試食してもらい、感想を聞きながらメニュー制作をおこないましょう。
メニュー作成のコツとして、はじめはメインメニューのトッピング違いのような商品を開発するのがおすすめです。
どんな形態のお店であれ、少しづつでいいのでお店に変化を持たせ、利用者に来店する楽しみを常に提供できるように心がけましょう。
テイクアウト実施
コロナ以降、それまでテイクアウトをおこなっていなかったお店でも、テイクアウトを実施することが多くなりました。
イートインが忙しいランチ時にテイクアウトが来ると、オペレーションに負担が掛かりそうですが、あらかじめお弁当の仕込みをすれば、ある程度軽減されます。
※ただし、お弁当のメインを作り置きして販売するのは、飲食店営業許可だけではできないので、注意してください。詳しくはこちらの営業許可解説記事をご覧ください!
販売するお弁当は日替わりがおすすめ!前日に余った食材を調理して付け合わせで使えば、食材回転率もグッと上がり廃棄率も下がります。
お弁当は利益を優先するというよりは、食材回転率UP・廃棄率Downを主な目的に据えて営業すれば、結果的には利益が出ると覚えておいてください。
営業許可についての解説記事はこちら!
フードデリバリー導入
いまや、飲食店には必須と言えるフードデリバリーサービス。飲食店を営業している方が、Uber Eats や出前館などをご存じない方はいらっしゃらないでしょう。
コロナ前と後を比べてみると、フードデリバリーの利用客数は数倍に増えています。この上昇傾向は緩やかになることはあっても下降することは考えにくいです。
テイクアウトをすでにおこなっているお店で、まだフードデリバリーを導入していないのであれば、今すぐレストラン登録をしましょう。
テイクアウトをしていないお店は、まずフードデリバリーを導入した後に、テイクアウトも検討してみてはいかがでしょうか。
フードデリバリーは難しそうだとお考えの方も多いですが、実際に導入したお店のほとんどは、思ったより簡単だったという話を聞きます。
フードデリバリー導入の恩恵は、店舗の立地に不安を抱えているお店であればあるほど大きくなります。
初期投資の必要がほとんどなく、新たな販路が獲得できるフードデリバリーについては、こちらの記事でもう少し詳しく解説しているので、少しでも興味がある方はチェックしてみてください!
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Uber Eats レストラン登録はこちら!
キャッシュレス決済導入
高単価店ではクレジットカード決済の導入は今や基本となっていますが、リーズナブルなお店でもスマホ決済サービスの導入は常識となりつつあります。
※スマホ決済サービスには色々ありますが、PayPayがシェア的に一番おすすめです。
スマホ決済サービスを導入したくても、手数料や端末代金購入費用が気になって導入を躊躇しているお店もあると思います。
しかし、「このお店は現金しか使えないから他のお店にしよう」というのはよくある話です。
特に飲食店のターゲットに一番されやすい30代の80%が、キャッシュレス決済を使用しているという調査結果も出ています。
※ちなみに20代40代50代でも70%の方がキャッシュレス決済を利用しています。キャッシュレス決済を導入しないということは、本来獲得できるはずの客層をみすみす逃す結果になりかねません。
PayPayなら、初期費用1980円、月額利用料1980円で導入できるので可能であれば導入検討をしてみてください。
割引チケット・ポイントカード・飴玉作戦
利用者は、少しでもお得にお店を利用したいと思うものです。
もちろん人によって違いはありますが、割引券を持っていれば「期限が切れるまでにまたお店に行こう」と考えます。
また、日本人は世界でも類を見ないほど「ポイントを集めるのが好きな人種」です。
いつも行くお店がポイントカードを作ったとすれば、今以上に通ってポイントを集めようとする方もいらっしゃるでしょう。
他にも、家族連れで利用する方が多いお店であれば、会計の時に笑顔でお子様にお菓子を渡してみるのがおすすめ!
ご家庭で外食に行く場合、お店を決める権限があるのは、実は高確率で子供です。
子供が行きたいと思えるお店作りを目指すのも売上を確保する一つの手なので、ぜひ参考にしてください。
高単価店には不向き
ポイントカードや割引き券は、どちらかといえばリーズナブルなお店には有効ですが、高単価なお店ではあまり効果はありません。
そういうお店の場合、顧客リストをしっかりと管理し、お客様のお名前や好みの料理などを覚えておいて、特別感を提供する方が効果的です。
サービスを提供するとすれば、お通しやファーストドリンクを無料でお出しするほうが、ポイントカードや割引き以上に喜んでいただけるでしょう。
これは、ただ無料で商品を提供すればいいというものではなく、一人一人のお客様にいつも以上に真剣に向き合いましょうということなので、誤解のないようにお願いします。
利用者との距離感を正しく把握する
初めての利用者にいきなり話し掛けるのはハードルが高めですが、表情や仕草で話しかけても大丈夫な方とそうでない方を、見分ける力をつけるのも重要な接客スキルです。
利用者には何通りかの属性があり、代表的なものは以下のタイプです
自ら絡んでくるタイプ
積極的に話しかけてくる人、雑談を振られることもあるが、無下な対応をするともう来店してくれない。
挨拶はするタイプ
複数回来店していれば、こんにちわ・ごちそうさまでしたなどの声かけをしてくる。笑顔と挨拶で対応しよう。
認識くらいはして欲しいタイプ
何度か通ったら声はかけなくても、目線とか軽い会釈が貰えると嬉しがる。
放っておいて欲しいタイプ
特に話しかけてはこないし、話しかけられるのも好きではない。挨拶は目線と軽い会釈にとどめるのがおすすめ。
どのタイプも扱いさえミスしなければ、常連客の素質があります。
食事は生きていくうえで絶対に必要なものなので、利用者の舌に合う食事と居心地のいい空間を提供できれば、複数回の来店が期待できるでしょう。
日本人は奥手でコミュニケーションが苦手な方が多いですが、挨拶や声かけを行っても笑顔さえ忘れなければ、嫌悪感を与える可能性はほぼありません。
飲食店は接客業です。いくら味が美味しいお店でも、接客次第では廃れていくことに気づいてください。
メディア・SNSの活用
簡単に手をつけられるメディアを上げるとするならは、食べログやホットペッパーなどがあります。
SNSは、Twitter(ツイッター)やInstagram(インスタグラム)、中にはTikTok(ティックトック)とYOUTUBE(ユーチューブ)を活用しているお店もあります。
どの媒体が良くて、どの媒体が悪いとはいえませんが、個人的には費用が掛からないTwitterやInstagramを使って、店舗の周辺地域の方に向けた情報を発信するのがおすすめです。
発信する情報は、例えば日替わりランチの情報でもいいし、新メニューや季節限定メニューの予告や作成状況など、なんでもいいです。
文面にキーワードを入れておいて、ランチ注文時に言ってくれた方は50円引き!とか、ディナーならワンドリンクサービスします!など、来店のキッカケを作るのもアリです。
お店の中にはLINE登録で初回クーポン配布しているところもありますが、個人的にはあまりおすすめではありません。
クーポンを受け取ったら即通知をOFFにされて、それ以降は情報が届かない可能性が高いです。
基本的にはTwitterやInstagramを使って情報を発信しつつ、お店に興味のある方だけにLINEを使って訴求するのがおすすめです。
経費削減について
不要な人件費をなくす
飲食店の経費の中で、一番大きな割合を占めるのが人件費です。一般的な飲食店では、売上の35%程度が人件費といわれています。
これ以上高いとお店を経営するのが難しくなり、逆に低すぎるとサービスが行き届かなくなります。
人件費と食材費を足した金額を売上高で割って出た数値をFLコストといい、この数値を60%以下にするのが理想の経営状態と言われています。
もし、この数値が70%以上だった場合、お店の状態は良いとはいえず、利益はほぼ見込めなくなり閉店へ向かってまっしぐらです。
利益が十分出ているお店なら問題ないといいたいところですが、それでも人件費と食材費は可能な限りロスが出ないように調整する必要があります。
人件費を削減するコツは色々ありますが、一番簡単なことは売上が少ない時間(アイドルタイム)の人員を少なくすることです。
他にも、トレーニングが必要な新人スタッフを同時に配置しない、求人は成果報酬型のサービスにするなど、無駄な経費を減らせるよう工夫しましょう。
人件費はできる人にはむしろ増やしても良い
スタッフの働くモチベーションは、人それぞれと言いたいところですが、ほとんどの場合は給料です。
優秀なスタッフには責任あるポジションを与え、それに見合った報酬を支払うことが、仕事へのさらなるモチベーションの維持向上につながります。
店舗運営は一人で行うことはできません。スタッフの働きを正当に評価し、正しい報酬を支払うことが経営者の使命です。
最後に経験上、いたずらに多くの報酬を支払うのは、逆効果になるので気をつけましょう。
廃棄食材を減らして食材費を見直す
一番大切なのは、食材の適正の在庫を把握し、先入れ先出しを徹底すること。
そうすれば、結果的に廃棄率を減らせるので、食材費の削減ができます。
また、料理に使う食材の分量をしっかりと守り、無駄な食材を使用しないことも重要です。
調理をアルバイトにまかせている店舗は、商品ごとに食材の分量を書いたレシピを作成し、スタッフ全員に共有するのがおすすめです。
他には、食材を加工するときは少しでも歩留まり(可食部)を増やして、フードロスを防ぐことが大事です。
仕込み時に適当にカットし可食部をどんどん捨ててる店舗をよく見かけますが、使える食材を捨てるのはお金を捨てているという意識で調理に当たりましょう。
裏ワザテクニック
店内照明の明るさ調節してみる
店舗の明るさが利用者の滞在時間に大きく関わっているということをご存知でしたか?
簡単にいうと、照明を明るくすれば滞在時間は短くなり、暗くすれば長くなります。
もちろん滞在時間は人それぞれなので何分何時間とは言い切れませんが、それでも相対的に見ると暗いより明るいほうが滞在時間は確実に短くなります。
一つの例として、ランチと夜営業をしている店舗があるとすれば、ランチの営業時は照明を少し明るくし回転率を上げ、夜営業時には落ち着いた雰囲気まで落とし客単価を上げるといった工夫もできます。
お店の客層やのコンセプトなどを考慮して、色々試してみてください。
BGMのテンポを変える
店内にBGMを流しているお店であれば、スローテンポのマイナーコード曲を流すと、滞在時間が長くなり売上が伸びると言われています。
実際にBGMを変えて実験してみると、注文が増え売上が伸びたという結果も出ています。
利用者の滞在時間を伸ばして売上を上げたいと思っているなら、一度試してみてくださいね!
まとめ
今回は、実際に飲食店を経営している方へ向けた内容でしたが、どうでしたでしょうか。
すでに自店で導入しているものもあれば、今日始めて知ったこともあると思います。
今回の内容で、特に重要なのは人件費と食材費は必ず管理調整を徹底すること。
もし、フードデリバリーとキャッシュレス決済をまだ導入していないなら、必ず導入検討をして欲しいという点です。
日々の営業で疲れてしまい、資金に直接関係のある部分をおろそかにしている飲食店は、開店3年どころか1年も経たずに閉店してしまうかもしれません。
そうならないためにも、常に店舗改善を怠らないようにしてください。
あなたのお店を守れるのは、あなただけなのですから。