お届け前に配達完了してしまい住所がわからなくなってしまった話
ウーバーイーツの仕事に慣れてくるとアプリ操作で横着してしまうことがありませんか?
少しでも早く次のリクエストを受けようと、まだ配達が終わってないのに配達完了にしてしまったり・・・
今回は配達中に自分を過信しすぎて起こしてしまったミスを紹介します!
- Uber Eatsを始めたきっかけ
- Uber Eatsの才能を過信しすぎるな!
- 配達先に着くと予想外の展開が・・・
- 最後に
Uber Eatsを始めたきっかけ
今ゲストハウスは京都で山のようにそれこそレッドオーシャンの状態で、猫も杓子もゲストハウスなわけですが、当方のものはとっーても小さく、たった4つしか部屋がありません。
そのため、お客さんがチェックインしてしまえば空を見上げてぼんやりしたり、お客さんがいないときは閑古鳥を鳴かしていたりしました。
そんな帰り道、ふと車道を見かけるとUber Eatsとかかれたバックを背にしたチャリンコマンが走っているではありませんか!
中国在住時(広州)によく見かけたデリバリーサービス(外売、ワイマイという)の日本版がとうとう始まったのか。
本来のUberは白タクなので、日本だと業界を守るためになかなか実施されなかったが、こっちの方から先に始まったのか。逆転現象や、逆転現象やで!と思いながら家に帰ったのが2か月前でございます。
それから、ひょんなことから、ゲストにチャリンコ乗りのおじさんが来てくださいました。
聞くところによると、東京からチャリを高速鉄道、つまり新幹線にのせてやってきて、京都駅から配達しつつ、観光しながら来たという。
なんじゃあ!かっこいいやんか!と思いながらおじさまに根ほり葉ほり現状を聞くと東京ではすごく流行っているんだよ、京都はこれからだね。
君のところでもデリバリーできるようにしたら、お客さん喜ぶんじゃないとの提案が。
まぁそれは尤もかもしれぬだが、私が知りたいのはそっちじゃない。
私が、ミーが、一般人ができるのかどうか、ということである。
チャリ普通、地理は並み、体力は並み、やる気はある、時間はあるときはある。それをおじさまに聞いてみると、大丈夫だと思いますよとの一言。
それをきっかけに翌日、京都ウーバーイーツーセンターの門を叩いたのが1か月前でございます。
現在は、北区を中心にゲストのいない時間、13時-16時あたり、もしくは、18時ー20時あたりにほぼ毎日走り回っています。
面白くて一度23時ぐらいまで走っていたところ、嫁に怒られまして、(新婚なのになぜ連絡もせず帰ってこないのかという至極まっとうな怒り)20時には家に帰るようにしております。
他人との生活というのはなかなか難しいものです。
Uber Eatsの才能を過信しすぎるな!
あれはつい先日のことでございます。
Uber Eatsのドライバーをはじめ、2週間ぐらいたったころでございましょうか。
ある程度ピックアップのコツも地図も読めて、鳴ってはタップ、タップしながらレストラン、スキップしながらドロップしていた、いわゆる完全に調子に乗っていた時代でございました。
あたかも自分にはUber Eatsの才能があって、このままいけば世界一のドライバーになれるのではないか、否、なるに違いないという感情が芽生え始めたのでありました。
これは誰しもが通る道だと思います。そんなときにこの事件は起こりました。
ピックアップは千本通沿いのマクドナルド、関西ではマクドというやつです。マックというと若干気恥ずかしいやつです。
あったかい袋を一つ受取り、ドロップ先をチェックすると距離にして1キロ弱の民家の様子。
楽勝や、楽勝やで。とグラサンの奥の瞳がどや顔になります。
そしてあっという間に到着。ドロップ先を確認すると、松本工務店(仮)様、となっている。私の目の前には、松本という表札が。
そうや、もちろんここや、自分のミッションコンプリートの場所は地球上でここしかない。
もう配達完了を押してしまおうと、右手の人差し指がスマホ(香港で買ったシムフリーのやつ。チャイナ版なのでときどき使えないアプリがありイライラします)をスライドしかけるが、いや、ちょっとまて、まだ早い。まだ届けていないやないか。と心の声がささやきます。
しかし、他の声が、早く完了にしないと次の依頼がこーへんのやで。もうここや、ここで決定なんやから教えてしまえやとささやきます。悪いやつです。
私はもう善悪の区別のつく大人ですから、ひと呼吸おき、まだやで、エブリワンと心を落ち着け、インターホンを押しました。
配達先に着くと予想外の展開が・・・
私「すいません、ウーバーですが、お届けにあがりました」
すると先方からはこんな返答が。
おじさま「はーい、いまいきまーす」
私の指はその返答を聞いた途端、反射的にスマホの配達完了をスライドしていました。
だって、あの返答、確実やん。ちょっと予想より早くきて喜んでいる感じやん、とほくそ笑みます。
しかし、悲劇はここから始まるのです。悲劇というものはいつも思わぬところから忍び寄ってくるのです。扉を開けるおじさま。商品を取り出す私。そして口を開くおじさま。
おじさま「うち、配達なんか頼んでないで」
私「え?」
頭のなかに点滅する白の疑問符から、赤の感嘆詞に変わっていき、冷や汗が流れ始めます。
そして私の心を代弁するかのように小雨も降り始めたのでありました。
私「いや、でも松本工務店さんですよね。住所はここって」
おじさま「あー、それな。多分間違いやで。前も同じような人が来ててん。住所間違ってんで・・・」
そういいながら扉の中に消えていくおじさま。
私「いや、ちょっ・・・」
と声をかけようとするもかけたところでどうしようもないことを知っている私。
だって彼は無関係だもの。Uber Eatsとは無関係な人においすがっても仕方がない。
小雨の降る中、滑るスマホの上を指であっちこっち滑らせるも、すでに完了済であり、先ほど届けるはずだった情報はナッシング。
無情にも乗車を探していますという、青のラインが右へ左へ。
いやいや、そうじゃないんだよ、乗車を探さなくていいんだよ、さっきの情報をください、Uberさまと祈ってみるも乗車を探し続けるスマホアプリ。祈りは通じない。
こういう場合はどうすればいいのか。センターか、センターに電話や!と思いながら電話帳を探すも登録した覚えのない私が、ねぇよねぇよヒヒヒと笑いかけます。
あぁこれは過信だ、過信はいつも悲劇をもたらすのだ。
ギリシャ古典をもうちょっとちゃんと読んでおくべきだった、やはりラテン語原書で読まないといけなかったのか、と右ひざをやや水たまりにつけた瞬間、後ろから女の声がする。
女神「すいません、それ、あたしのだと思います」
私「!!!!」
振り返ると、髪の長い女の方が申し訳なさそうに立っているではありませんか。
女神や、神が降臨した、小雨の中に!と心躍る私は、即座にマクドの袋を押し付けるように渡し、すいませんありがとうございます!助かります!と満面の笑みが零れだし、女の方が去ったあと、松本工務店に一礼をし(誰もいませんが)その場を去ったのでございます。
最後に
本人と確認して渡すまで、完了ボタンは触らない。
タップしない。見ない。
この体験をしてから、料理を渡して、お客さんの扉が閉まってから配達完了をスライドするようになりました。
少しでも早く次の注文を受けられるのではないかと、受け渡し前に配達完了をしたくなる気持ちはすごくわかります。しかしこれは絶対にやってはいけません。
配達完了操作後は住所の確認も注文者との連絡も取れなくなるので、手違いが起きた時に取り返しが付きません。
間違って配達完了操作をしてしまった場合、すぐにサポートに電話しましょう。電話番号の登録も忘れずに!
実際には配達完了しなくても次の配達依頼は入ります。いわゆる数珠鳴りと呼ばれるやつです。
なので急いで配達完了しなくても鳴る時は鳴ります。
というか、完全な待ち状態よりも、配達完了前の方が鳴りやすいという話もあるくらいなので、焦らないようにしましょう。