バイク配達員が任意保険に加入しないといけない理由!人生を棒に振りたくなければ必須です
Uber Eats(ウーバーイーツ)、出前館などのフードデリバリー配達員をしていて、バイク稼働しているみなさん、任意保険には加入していますか?
私もバイク稼働ですが、副業勢なので「自賠責保険に加入しているし、たまにしか稼働しないからバイクの任意保険まではいらないかな…」と実は今まで加入していませんでした。
しかし、色々と調べてみると、自賠責保険だけだと補償の範囲も狭く、なおかつ配達業務中の事故は補償対象外など危険な事がいっぱい…。
これから配達員デビューを考えていて「バイク(原付)で稼働するぞ!」って人や、「自転車稼働してるけど専業でやるからバイクに乗り換えてみようかな…」と考えている人は、きちんと任意保険を検討してみることをオススメします!
- 自賠責保険とバイク保険の違い
- 自賠責保険とは
- バイク保険(任意保険)とは
- フードデリバリー配達員の事故増加
- フードデリバリー各社の補償
- バイク保険は業務対応か確認
- オススメの業務用バイク保険
- まとめ
自賠責保険とバイク保険の違い
バイクで加入する保険には2種類あります。
- 自賠責保険(強制保険)
- バイク保険(任意保険)
2つの保険の大きな違いは、「加入義務」と「補償範囲」の違いです。
バイクを購入をしたことがない方には分かりにくい部分もあるので、詳しく説明していきます。
自賠責保険とは
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、法律によって加入が義務付けられていて、「強制保険」とも呼ばれています。
自賠責の期限は1~5年の範囲で自分で選んで加入しますが、中古バイクを知人に譲ってもらった場合など、つい更新を忘れてしまうこともありがちです。
もし、期限切れ(未加入)の状態でバイクを運転した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるだけでなく、違反点数6点で一発免停です。
当然ながらフードデリバリーのバイク稼働もできなくなって、仕事や生活に影響が出てしまうので絶対に加入しましょう。
自賠責保険の補償
自賠責保険の補償内容は、運転中に他人に怪我させたり、死亡させてしまった場合の対人賠償を補償する、というものになっています。
自賠責保険では他人に対しての補償のみを行うもので、事故を起こした本人の傷害補償などは一切含まれないので注意してください。
対人 | 物損 |
---|---|
傷害120万円(治療費/休業損害/慰謝料) | 補償無し |
死亡時3000万円(逸失利益/慰謝料/葬儀費) | 補償無し |
後遺障害時 75〜4,000万円(逸失利益/慰謝料) | 補償無し |
表にまとめた通り、事故で相手に怪我をさせてしまった場合は賠償額120万円、後遺障害が残ってしまった場合は75〜4000万円、死亡させてしまって場合は賠償額3000万円が各上限金額となっております。
バイク保険(任意保険)とは
バイク保険は、自賠責保険でカバーできない部分を補償をする保険です。自賠責保険と違い、加入は義務ではありません。
任意なので必ず加入しなければいけないわけではなく、加入率は4割程度となっています。
自動車の任意保険はほとんどの人が入っているのに、バイクだと気軽なイメージなのか入っていない人の方が多いのが実情です。
バイクは車と違って人間がむき出しの状態なので、どう考えてもバイクの方が事故った時のリスクが大きいはずですが・・。
バイク保険(任意保険)の補償内容
自賠責保険の補償額を越える人身・対物事故の高額な補償金額であったり、自分がケガなどの被害を負った場合の補償など、様々な役割を持つ保険が組み合わさった保険になります。
補償の対象 | 人 | 物 |
---|---|---|
他人への賠償 | 対人賠償責任保険 | 対人賠償などの上乗せなど |
ご自身の補償 | 人身傷害保険 / 搭乗者傷害保険 | 車両保険 |
組み合わせによって値段も変動するので、自分にあったものにカスタマイズしていきましょう。
主に以下のような補償内容を組み合わせるイメージです。
保険 | 内容 |
---|---|
対人賠償保険 | 他人を死傷させ、自賠責保険の補償額を超える部分を補償します。 |
対物賠償保険 | 他人の車や建物などモノに対しての損害賠償を補償します。 |
搭乗者傷害保険 | 自分のバイクに乗っていた人(運転者や同乗者)が死傷した場合に、あらかじめ定められた額の保険金が支払われます。 |
自損事故保険 | 単独事故等の自賠責保険で補償されない事故により、自分のバイクに乗っていた人(運転者・同乗者)が死傷した場合に、定額の保険金が支払われます。 |
無保険車傷害保険 | 賠償能力が不十分な車との事故により、自分のバイクに乗っていた人(運転者、同乗者)が死亡または後遺障害を被った場合に、保険金が支払われます。 |
バイク保険のメリット
バイク保険には、以下のメリットがあります。
- 高額賠償に備えられる
- 物損事故の賠償に備えられる
- 単独事故で自分のケガに備えられる
- バイクの修理費用に備えられる
- ロードサービス付き緊急の事故や故障でも安心
バイク保険の対人・対物賠償の保険金額を無制限にでき、人身傷害保険や搭乗者傷害保険をセットすることで、単独事故でケガをしたときも補償されます。
バイク保険のなかには、車両保険をつけられるものもあるので、修理費用にも備えられますし、事故や故障で走行できなくなった時のレッカー移動などのロードサービスも対応してもらえます。
フードデリバリー配達員の事故増加
コロナ禍でおうち需要が増え、急成長しているフードデリバリー業界。
誰でも配達員になれるため、交通ルールの意識が低いフードデリバリー配達員がいるのも事実で、配達員による危険運転が問題になっています。
上の図は、厚生労働省が発表しているフードデリバリーサービス中の交通事故分析になります。
年齢は29歳以下が60%を占め、主に一時不停止による出会頭や、スマホのながら運転が多いようです。
配達員の仕事をしていると、注文を受けるためのスマホ操作や、地図で配達確認するためのスマホ確認で、ながら運転になってしまいがちです。注意がそれると危険を察知するのも遅れるし、とっさの判断もできなくなってしまい本当に危険です。
また、Uber Eatsだと「クエスト」クリアのために無理をしたり、出前館だと「オーダー受注の早押し」などのサービス独自の仕組みがドライバーの危険運転を誘発しているのも事実です。
この分析結果から分かるように、フードデリバリーの事故はとても起きやすく、年間1000件以上も発生していて、もはや他人事とは思えないです。
バイク保険の加入はやはり必須と言えるでしょう。
フードデリバリー各社の補償
自賠責保険や任意保険とは別に、フードデリバリー各社が補償サービスを用意しています。これがあれば任意保険は必要ないのでは?と考える人もいるかもしれません。
Uber Eats | 出前館 | Wolt | menu | |
---|---|---|---|---|
保険提供 | ○ | × | ○ | ○ |
補償金額(対人/対物) | 1億円 | - | 非公開 | 非公開 |
対人/対物補償 | 配達中 | - | 配達中 | 配達中 |
障害補償 | 配達中 | - | オンライン中 | 配達中 |
配達中とは、リクエストを受けた時点から配達が完了するまでを指します。
オンライン中とは、配達アプリがオンライン状態でいつでも配達依頼を受注できる事を指します。
Uber Eats、Wolt、DiDiFood、menuは保険提供していますが、配達中のみしか適用されないことがほとんどです。
また、出前館は自社で保険を提供しておらず、業務委託の配達員に登録する際に任意保険の加入証明を提出する必要があり、実質的に任意保険加入が必須になっています。
出前館が推奨している補償内容は、「対人無制限、対物1000万以上の業務型の任意保険」になります。保険会社は三井住友海上・東京住友海上日動の2社を推奨しています。
実際に2社問い合わせたところ、ざっくり見積もり金額は以下の通りです。
- 三井住友海上:スタンダードプラン 年間約44000円
- 東京海上日動:スタンダードプラン 年間約40000円
バイク保険は業務対応か確認
バイク保険の使用目的には、「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」の3つタイプがあります。
ネットにあるバイク保険は日常・レジャー、通勤・通学が多く、Uber Eatsなどのフードデリバリーにも対応している業務用は少ないのが現状です。
業務対応していないバイク保険に加入して、事故に遭ったらどうなってしまうのでしょうか?
業務対応じゃないと保険が下りない
せっかくバイク保険に加入していても、それが業務対応していないバイク保険だと、配達中に事故に遭っても保険金がもらえません。
通勤や趣味でバイクを使っていた方はそれ用の保険に入っている事も多いと思いますが、フードデリバリーの仕事で使うようになった場合は、 忘れずに保険内容を変更しましょう。
なお、業務対応していれば、通勤・通学、日常・レジャーで使用しているときの事故も補償範囲となります。
ただし、業務使用は保険料は一番高くなる傾向があります。
理由としては、業務で使用すると通勤や日常に比べると運転時間や走行距離が長くなり、事故に遭う危険性も増すからです。
オススメの業務用バイク保険
私は出前館に登録することを機にバイク保険に加入したのですが、その時に色々調べて良かったバイク保険をご紹介します。
バイク用品店「2りんかん」のバイク保険
バイク乗りならご存知の方も多いと思いますが、「2りんかん」は全国チェーンのバイク用品店です。
知り合いのベテラン配達員から、「2りんかんのバイク保険は業務でも使えるからおすすめだよ!」と教えてもらいました。
店頭で話を聞いたところ、「東京海上日動の保険で、Uber Eatsやろうとしてる人がよく入っているよ!」との事でした。
大手保険会社の東京海上日動で、フードデリバリーをやる人が皆入っているという事で安心でき、2りんかんで加入する事にしました!
下の画像は実際に店頭で見せてもらった料金プラン表になります。
私は、副業勢なのでミニマムプラン(対人・対物無制限)の年間32920円のものをオススメされ、そちらに加入しました。
他にも以下のようなオプションも付いていて、かなり手厚い補償内容がついています
- 弁護士費用補償特約(自動車)
- 他車運転危険補償特約(二輪・原付)
- 個人賠償責任補償特約
- 自転車障害補償特約(一時金払い)
- レンタカー費用等不担保特約(車両運搬・緊急時対応費用補償
副業で年間32920円でちょっと高く感じるかもしれませんが、月々2880円で安心して1年間フードデリバリーが稼働できると考えれば安いのではないでしょうか。
(出前館の配達3回分ということは、調子がよければ1時間で元が取れます!)
詳しい内容はこちらの、2りんかんバイク保険からご覧下さい。
ファミリーバイク特約
ファミリーバイク特約とは自動車保険に付帯可能な特約の一つになります。
ファミリーバイク特約の補償対象となるバイクとは「125cc以下のバイク」になり、50cc以下の「原付バイク」だけではないのも特徴です。
ファミリーバイク特約には以下のようなメリットデメリットがあります。
- バイク保険より保険料が安い
- 補償対象になる運転者範囲が広い
- 等級に影響しない
- ロードサービスは付帯しない
- 車両保険がない
- 特約だけの利用不可
- 業務用に対応しているものが少ない
一番のメリットはバイク保険と比べて、保険料が安いというところです。
ただ、業務には使えない「日常型」になっているものが多く、私が自動車で加入しているチューリッヒ自動車保険のファミリーバイク特約は業務では使えないものでした。
そんな中でも、業務にも使えるファミリーバイク特約が2つありました。
損保ジャパン
三井住友海上
他にも、アクサダイレクト、チューリッヒ、三井ダイレクト損保などの大手自動車保険会社にファミリーバイク特約がありますが、業務使用NGのものが多かったです。
家族が入っている自動車保険にファミリーバイク特約を付帯しても保険は適応されるので、家族が自動車保険に入っている方は、保険会社に「ファミリーバイク特約がフードデリバリー業務に対応している」かを確認してみる事をオススメします!
まとめ
フードデリバリーというお仕事は、日常生活で使用するより何十倍もの距離を移動します。つまり、日常生活に比べ何十倍ものリスクを背負っている事になります。
ましてや、天候による悪路やピークタイムの渋滞など日常使いでは感じない焦りもあり、無茶な運転をしてしまったことは誰しも一度は経験したことがあるんじゃないでしょうか。
その一瞬の焦りで起こしてしまった事故が自賠責保険ではカバーしきれない程の重大な事故になってしまったら…。人の命を奪ってしまう程の事故になってしまったら…。
お金を稼ぐためにやっているのに、1度の事故で人生を台無しにしてしまう、なんて事は決してニュースの中だけの他人事ではありません。
それくらいフードデリバリーは事故と切り離せないお仕事です。
私も最初は任意保険未加入でしたが、調べれば調べるほどに自賠責保険だけでの稼働は危険だと感じるようになり、今ではバイクで稼働するなら任意保険は必須だと思っています。
任意と言われると必要なさそうに感じてしまう人も多いと思いますが、安心してお金稼ぐためにも任意保険に加入しておくことを強くオススメします!
▼労災保険も検討した方がよいです